池田 優里亜
Bigdata&Analytics事業部
コンサルティングサービス部
Agenda 01
テクノロジーで、「人のわざ」を超えていく。
自然言語処理技術による対話アプリケーションが当たり前になり、画像処理技術の応用による多様なサービスが次々に登場する……。近年、さまざまな業種でAIの実用化が加速している。そうした中で、「人の経験を基にしたカンコツ作業」をAIで再現することは、とくに難易度が高いとされている。シイエヌエスが手掛けた「トンネル掘削機の予測機構の開発」は、その象徴ともいえるプロジェクトだった。開発を担当した池田優里亜はその経緯をこう話す。「トンネルを掘り進めていく掘削機は、岩盤や掘削の状況によって、操作通りに進まないことが多いそうです。その操縦は極めて難易度が高く、熟練の技術が求められます。そうした一方で、操縦手の高齢化が進み、技術の伝承にも時間がかかってしまっている……。そうした状況を打破すべくスタートしたのが、このプロジェクトでした。AIを駆使して、誰にでも操縦できるようにしたい。それが、お客様からの要望でした」
Agenda 02
証明する、「ここにいる意味」を。
トンネル掘削機から得られるさまざまな情報をリアルタイムで処理・分析し、AIが進行方向を予測する。池田にとっての初プロジェクトはきわめて難解なものだった。「研修を終えたばかりの新入社員は、サポートメンバーとしてプロジェクトに参画します。アサインされた当初は“お手伝いをする”くらいの軽い気持ち。プレッシャーも感じていませんでした。ですが、開発において物理や数学の知識が求められることが多く、次第に仕事を任されるようになっていったんです」池田にとって大きなターニングポイントとなったのが、上司からのある言葉だった。「池田さんが、ここにいる意味を示してほしい」。そこから、彼女の仕事ぶりは大きく変わったのだという。「先輩のお手伝いではなく、自分の仕事だ。そう思えてからですね。責任の重さや仕事の楽しさを感じたのは。どうすれば、上手くいくのか。積極的に考え、意見を発信し、試行錯誤を繰り返す……。家に帰って寝ている時も掘削機のことばかり考えていたくらいです(笑)」
Agenda 03
もう、どんなことがあっても怖くない。
物理・数学の知識を駆使して、顧客との窓口役を務める。掘削機の方向を予測するプログラムを担当する。池田は、期待を超える活躍を見せた。一IT企業のプロジェクトでは、そこに関わった人数、作業にかかった時間を基本に料金が決まってくるが、サポートメンバーが人数にカウントされることはない。しかし、彼女はしっかりと「そこにいる意味」を示し、プロジェクトの一員として数えられた。「ITの知識はまだまだ不十分。何とか完走できたのは先輩方の指導があってのことです。ですが、初めてのプロジェクトで、背伸びをし続けた経験は、私に確かな自信を与えてくれました。『もう、どんなことがあっても、怖くないぞ』と思えるくらいに」池田らの手掛けたシステムは、すでに実際の工事で使用されている。キャリアや技術に関係なく、誰にでも作業ができる。シイエヌエスが創り出した価値は、顧客にとっても、社会にとっても大きな意味を持つ。「実際にトンネルを掘っている現場には行けていませんが、お客様から『池田さんがいてくれてよかった』と言われたことが何よりの喜びになりました。こうしたチャンスを与えてくれるのも、シイエヌエスならではの魅力。今は、この仕事を心から面白いと感じています」